日頃は土日祝日の街中になど出かけるものではない、という考えではあるのだけれど。かねてより一度は生で見ておきたい舞台のリストに永らく載ったままずっと機会を逸していたイッセー尾形。気がついたのが公演1週間前だったからさすがにムリだろと思いきや、どうしたことか席が確保できてしまったからには主義を曲げて出かけて行く天神。
イッセー尾形といえば一人芝居。今回は①田舎の駅に取り残されて熊と間違えられるギャル②年増のバツイチバスガイド@宮沢賢治記念館③倒産寸前の建設会社勤務の発掘大好きな現場監督④移住希望者に興味津々の田舎の婆さん⑤40代社会人の”ぼんやり”を祓い清める祈祷師、宗教(?)太郎⑥アラーキー似の(立体)紙芝居屋@浅草⑦誰だか分からないが絶対どこかに実在しそうな場末の歌手、という7人のキャラクターをそれぞれ15分前後ずつ演じていく。それぞれのキャラクターにはつながりはない。衣装の着替えとメイク直しも舞台袖でそのまんまやるのを見ていることになるのだけれど、この幕間がなんともいい。

個人的には「祈祷師・宗教太郎」と「場末の歌手」がかなりツボだった。自分も40代くらいでこんなインチキそうな祈祷師に”邪悪なぼんやり”を払ってもらえていたら、人生もうちょっと早めに吹っ切れていたかもしれない。そして場末の雰囲気歌手の、歌の内容はシュールというかくだらないのになんだか変にいい曲で、聞いてて妙に癖になりそう。
なんだかふと、自分も自分でない何者かに扮してみたい衝動が湧いてきてしまう。
あっという間の上演時間で、なんだか久しぶりに紛れ込んだ劇場にそぞろに屯す観客の空気感もなんかよかった。福岡での観劇といえば博多座しかもほとんど歌舞伎ばかりで今回の西鉄ホールは初めて行ったが、駅の真上で便利が過ぎる。
芝居の後は何か食べてから帰るつもりだったけれど、終演時間が思うより早めだったので、デパ地下で弁当買って家で食べることに。
さてこの3月はこの他にはお出かけもない予定だったのだけど、ひょんなことからもう1件、ミュージカルのチケットが回ってきて急遽来週出かけることになった。
今月の家計簿的には予算オーバーで想定外出費ではあるんだけれども。自分ではまず取らないであろうジャンルの公演、そして今度もこちらで初めて行く劇場。この演目も一度は観ておきなさい、と自分の中のインチキなエンタメの神さまが囁いているということで。

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