最近、といってもここ2か月くらいの読書録まとめて。
Amazonのページを埋め込みしたら絵面の圧がちょっと怖いことになってしまったのでなるべく小さめにしてみる。笙野頼子の著作について書くのに躊躇するのは、最近読めば読むほどに自分の理解が何にも追いついていないのだということの表明にしかならないから。
純文学論争にしろフェミニズムにしろTPPにしろ地域猫問題にしろ、著者はもうずっと怒っている。お前はなんの問題の本質を理解してない、理解しようとしていないと読んでいて責められているような気持ちになる。でもそれは怒りよりも悲しみと言う方が正確なのかもしれない。制度や法律、思想では救えないものをずっとテーマにしてきた人だからこそ、制度や法律・政策構造造によって引き起こす問題の可能性にセンシティブに反応して異議を唱えているのだと思う。
「真実真正日記」は小説家の日常とその小説家の書いている小説(虚構)の暴走の円環構造とでも言ったらいいのか、そもそも小説家の日常自体が当然ながら虚構としてすでにデタラメに暴走しちゃってるしで。町田康節を堪能するという意味ではとても満足な小説。
「ギケイキ」一巻で調子こきまくってた義経が、二巻で雲行き怪しくなって、追い詰められていく三巻が真骨頂、イカレてキレ散らかしな佐藤忠信ので壮絶な最期と静のその後。相変わらずにウザ苦しい弁慶のキャラがおもしろすぎる。おそらく続刊終結となりそうだけれど、発刊が待ち遠しい。読み流し気味だった一巻二巻もあらためて文庫で買って読み直してみたくなるけれど、買ったはいいけど積読状態の文庫も溜まっていて、たぶん、読み返さない。


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