雨降りの夏至からの満月は曇り空の向こうで。

日々のぼやき

一瞬雨足が弱まった午後、店の軒先で鰻の焼けるのを待ちながら。

ここ数年は土用の丑でなしに家族の誰かしらの誕生日に蒲焼を買う。夫の誕生日は先週だったのだけど、例によって自分は家を不在にしていたものだから今日になった。そして毎回特に食卓で祝いの言葉も何もなく、いつも通りにもそもそ食べる。今年が還暦であったとしても特にそこは変わらない。

その翌日は雨上がりで空も気持ちよく明るくて、猫らも庭に出せと玄関先でわぁわぁ騒ぐ。ちょっと外の空気だけったって昨日の雨露をたっぷり含んだ草むらに産むわ殖やすわやる気満々に漲らせた蚊の羽音。ごめんちょっと無理。

謝りながら家を出て横浜へ向かう。3回めの乗換駅でもう博多駅と同じくらい人がいるんじゃないかというような人出。

少し余裕めに出てきたつもりだけれども結局どこかで軽食を取る余裕もなく、幸いあまり人通りも少ない地下鉄の地上出口近くのビルの植え込み段差に腰かけてコンビニサンドイッチを頬張る。一応気分だけでもティファニーのショーウィンドウ前のオードリー・ヘプバーンを心がけてみる。

ヘプバーンのキャスティングについては原作者カポーティのイメージではなかったと聞く。でもあの朝食のシーンは特に、ヘプバーンのにじみ出てしまう気品(それこそが原作のホリー・ゴライトンにそぐわなかったものだろうと自分も思う)がなかったら、裏ぶれ感が前に出すぎてしまいそう。ヘプバーンの気品をあいにく持ち合わせていない私としてはこういう所作は避けるに越したことはない。もちろんヘプバーンのような気品を醸す人になれるものならなってみたい。いつ何時道端でコンビニサンドを急ぎほおばる事態になろうとも凛と絵になるおばちゃんでありたい。

などと戯けたことを考えながら、自己紹介の特訓会会場へと。ここでの充実の2時間についてはまた後日に。もう少し自分の中で寝かせる、というか練りこんでから書きたいので。

YCATからバスで羽田。福岡に到着してからバスの時間までがまた中途半端、店に入って食事するには微妙に忙しない。売店で入院中の母がほしがっていたかつぶしのふりかけと梅ひじきを買い、15%割引になったトルコライス弁当を買って部屋に戻って食べた。

21時近くに閉店割引をもそもそ食すおばちゃんの気品について考える。

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