2025年博多座二月歌舞伎公演「朧の森に棲む鬼」

遊びをせんとや

早い段階で博多座でも公演あることわかってたので12月の新橋演舞場公演も見送って、気づけば今回5か月ぶりの歌舞伎見物。特に12月、1月、そして2月と歌舞伎座も見送るには惜しい演目と配役にも関わらず、敢えて行かずに引越準備に専念のつもりもあったし、東京を離れることだしもう少し歌舞伎とも距離を取ろうみたいな気持ちでもあったんだが。

それはさておき今回の「朧」。久しぶりの観劇だからという以上に、まず配役がとにかく絶妙すぎて嬉しい。これだけの花形俳優がすべてニンにあった役どころとなれば、見る前からもうわくわく感がとまらない。染五郎、新・時蔵、新悟、廣太郎といった若手たちがしっかり中堅格だし、松也同様にもうとっくに中堅以上な存在の尾上右近、この人についてだけはニンにあうのあわないのの次元を超えて、見るたび変幻自在で驚いちゃうんだけど。

そしてなんてったって猿弥。かつて「弥次喜多」で当時美少年キャラ全盛だった染五郎くん(最近は骨太なお役もこなせる美青年期に突入している)のコロナ欠での代役にこのおもしろおじさんをぶっこんできたという奇跡の回には残念ながら当たらなんだけど(見たかったぁ)、「景清」の松也代役での出演には当たったことがある。自分にとってこの人の名前がどこかに入っていればその演目が期待できてしまう役者さん。澤瀉屋メインでの演目が当面望めなくなった今、代役でもコメディリリーフだけでもない役どころでじっくり猿弥さんの活躍堪能できたのが自分的には一番嬉しかった。

キャストだけでなく演出も、殺陣はもちろん本水に宙乗りとたっぷり歌舞伎感あるし、音楽についてもよくうまいことメタルと和楽器を合わせてくるなぁと。

脚本はシェイクスピア「リチャード三世」の翻案とのことだけど、実はシェイクスピアってすべてあらすじだけでこの年まで実際読んだことないのも反省してみたり。それ言ったら古典歌舞伎だって通しで筋を把握してる話はどれだけあるのかって話だが、まだ知らないことが山ほどあって楽しいではないかと思っておくとして。

博多座については劇場自体が居心地いいし、お弁当もおやつもダントツに充実。この日はちょっとしっかり食べたい気分だったので、お弁当はやまこうのステーキ弁当をチョイス。さらにおやつはたきむら朧だんご。演目ちなみは他にもたくさん。

演舞場も悪くないんだけど、自分的には博多座まで待って正解。

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