【映画】カラーパープル

気になる本棚

今回の行き帰りの機内上映で観た映画。なんで40年近く前の映画を?と思ったら、ミュージカルにしてさらに映画としてリメイクしたのが去年公開されていたということ。これも全く知らなかった。ここのところどんだけ映画情報から遠ざかって生きてるやら。

そもそもウーピー・ゴールドバーグ主演のオリジナル版もタイトルとスピルバーグがアリス・ウォーカーの作品を映画化したもの、くらいのことを何となく覚えているだけで、実際に中身は観ていない。でも公開当時高校生であったあの時の自分が見ても、ちゃんとは響かなかっただろう。

母親譲りで針仕事の得意な主人公セリーは結婚前に2回子供を産むが、2回とも母親の再婚相手に赤ん坊を奪われ、その再婚相手が経営する店で追い回されるようにこき使われている。母親亡き後の唯一の味方は妹のネティだが、セリーの義父はネティを嫁に欲しいと言ってきた子持ちの寡男ミスターの所へセリーを二束三文で売りつけるように追い払う。

ミスターの所でもことあるごとに暴力を受け妻というより奴隷のような扱いを受けるセリーだが、ある日義父におかしなことをされそうになったと逃げてきたネティをミスターが家に置くことを許可したことに喜ぶ。が、それも束の間、ネティを我が物にしようとして拒否されて逆上したミスターは銃をもってネティを家から追い出してしまう。義父の所へも帰れないネティはセリーに手紙を書くと約束して逃げるが、それきり何十年と消息は途絶えてしまった。

そうして年が流れ、ミスターの息子ハーポは結婚したいといってソフィという女性を連れてくる。ソフィアはセリーとは全く逆に誇り高く自由な精神の持ち主。臆せず自分をきちんと主張するソフィアに対して、またハーポと深く愛し合っている様子をセリーは羨ましく思う。だがやがて自分の思うようにソフィアを従わせたいハーポが父親のように暴力を奮ったことでソフィアは家を出て行ってしまう。

それからまたしばらくした頃、牧師の娘であるブルース歌手のシュグが街へ帰ってくる。元はシュグのバンドメンバーでありシュグにベタ惚れであったミスター始め、大淫婦のような彼女の存在に町中が騒然となる。ミスターは家にシュグを引き込んであれこれ取り入ろうとするが、シュグが心を通わせたのは遠巻きに彼女を見ていたセリー。シュグと心を通わせるうちにセリーも少しずつ自尊心を取り戻す。

ここからセリーが、どんどんキレイになっていくのが見どころで、若いうちの見てくれからしていかにも軽んじられ虐げられている姿と比較して、年を経るごとに自尊心を取り戻してやがて自立したときのパンツルックのスタイルのよさには惚れ惚れしてしまう。

「神様は人間に褒めてほしくて仕方がないの。自分の作ったものすべて褒め称えてほしくて仕方ないの。この小さな紫色を見過ごしてしまったらどんなにがっかりすることか」みたいな台詞をシュグがセリーとの散歩のシーンで語るのだけど、ブルース歌手になったが故に父親には認めてもらえず遠ざけられている、それでもブルースを歌うことを選ぶシュグの痛みと赦し。そして無敵であるかのようなソフィアがあるときぼろぼろに自尊心を踏みつけられる当時の社会そしてまだ今この時代になっても解消しきれていない現実。

これは活字でも原作を一度読んでおこうかなぁ。

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