先週は調布で過ごす。小春日和に恵まれて冬枯れしつつある庭の整理にもようやく着手はしたけども、4泊5日の日程で他に室内の片づけもあるから外での作業も日に2時間もない。こんなんで終わるのか?終わらせねばなのだけど。次回は年末年始に10日ほどまた戻って暮はもちろん正月もひたすら引越作業の見込み。
で、今回も往復の機内上映で観た映画だけど、思いのほかおもしろかったので。
EC物流センターの会社組織の空気感に、既視感がありすぎて。いや、自分の前職は物流ではないんだけれども主人公の新任センター長満島ひかりといいマネージャーの岡田将生といい、元いた会社のあの人この人たちをどうしてもオーバーラップさせながら観てしまう。
映画内での話の進行でECセンターの運行管理の主な登場人物がセンター長とマネージャー、そして日本統括のディーンフジオカに集約整理されているけど、現実は社内だけでももっとぐちゃぐちゃといろんな人が間に出入りしてるはずなんだがそれはさておき。そして運送会社側の担当者阿倍サダオに誰より共感してしまう。さらにその下請けの配送業者の火野正平はこれが遺作になってしまったなぁ。勝プロの時代劇によく出ていた小物感満載な感じを残して飄々と自転車で去って行かれたような、あぁいう年の取り方も羨ましい。
TVドラマの「アンナチュラル」「MIU404」の登場人物たちもリンクしていて、別に見ていなくても全然映画単体だけで話は成り立つのだけど、「MIU404」の方は結局見てなかったからこれからでも見てみようかと思うけど、さていま自分はそんなことしている場合なのか。「アンナチュラル」は自分としては珍しくリアルタイムで全編見たドラマなのだけど確認したら2018年の放映。個人的にはこの辺から大河ドラマ以外のリアルタイムのTV放映はだんだん観ない生活になってきたのかも。
話を「ラストマイル」に戻すけど、企業クレドがだんだん独り歩きして、気がつけば顧客も社員も関連会社も誰一人大事にしていない状態のまま回転を止められないという事態になっている。そして現場のことなど知ったこっちゃないとで会社の理念に従っただけと言わんばかりのディーンフジオカとアメリカの本社側が悪かったみたいになっているけども、これも象徴的にその役回りをかぶせられただけで、それを指摘している満島ひかり演じるセンター長の中にも同じメンタルがあることも描かいている点のリアリティ。くそったれだけどそれでも仕事の愛おしさ的なものすら。
そういう社会から完全離脱というか脱落してしまった自分としては、振り返って自分にももっとやれたことはあったのになとか思ってももうそこに帰ることはないワケで。タイムアップしてしまって戻れないわが身だからこそ現役諸君はなるべく病むことなくがんばれ、という気持ちで観てしまった映画。
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