荒唐無稽のリアリティ。池上栄一「海神の島」

気になる本棚

何がきっかけでそこに行きついたのか、今更だけどTOLAND VLOGというYoutubeチャンネルのホツマツタヱ関連に嵌ってしばらく過去動画見漁っていた。

サムさんの解説や考察がわかりよく面白いのはもちろんなんだけど、一見ただ相槌入れてるだけかのように見える、WHAM!でいったらジョージマイケルじゃない方の立ち位置な、相方のマサキさんの存在感が実はこのチャンネルの鍵のような気がしきて仕方ない。一切の理屈を語らないけども、この人はしっかり地に足をつけてひとつの理想形を追求して体現しようとしているような。この人が隣にいてこそサムさんが活き活きと一番いい形で持論を自由に語れているんじゃないだろうか。

永らく彼らの活動を観てきたというワケでもなく、根拠もなくただ何となくそう。思っただけ。だから何、という話。

YouTube三昧のせいでもないけれど、ここしばらくあんまり本は読めてなかった。先日書店の棚でまだ未読の池上永一を見つけて、昨日一気読み。

「テンペスト」もスケールの大きい歴史ファンタジーだったけど、今回現代史でそれやったか。そして今回もまんまとやられてる私。

この人の描くものは、とにかくあり得ないほど現実離れした濃い女性キャラを動かして、なぜかそこに確固としたリアリティがあるという不思議が特徴だけど、今回の主人公の三姉妹も例にもれず、それぞれに強烈。というかもう漫画。中国や米軍、台湾まで巻き込んで、5億の相続を廻っての大爆笑の骨肉のお宝争奪戦。

このパターンだと勝者は、と早い段階で検討がつくんだけれども、実はそんなことはこの小説のおもしろさの要素では重要でもなんでもない。荒唐無稽のようなストーリーの中に池上永一という作家が世界の中での沖縄という場所について、とりわけ本作では基地問題に対するスタンスが軸。

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