歌舞伎刀剣乱舞 東鑑雪魔縁(あずまかがみゆきのみだれ)@博多座

遊びをせんとや

敢えて初日や千穐楽を狙って劇場に足を運ぶということは以前からなくて、今回もチケット買うときにここならまず後で他の予定とかち合ってしまう可能性もなさそうという日程がこの日だったというだけのこと。

博多座で歌舞伎で満員御礼というのも初日ということもだけどオンラインゲームの方のファンの女子の皆さんの功績がかなり大きいことかと思う。

刀剣乱舞の歌舞伎化としては2年前の第一作に続く2作目で、前作メンバーに加えて中村獅童、中村歌昇、尾上左近が参加。残念ながら今回尾上右近は不在。

前回からの出演の河合雪之丞に加えて喜多村緑郎も出演予定だったのが休演、代役で同じく新派移籍組から喜多村一朗。

開演45分くらい前には劇場入りしたのだけど、狙っていたお弁当がすでに売り切れ。代わりに選んだのもおいしかったし、別によかったんだけど、やっぱり博多座は開演すぐに入らないとだわ。

開演時間もだけど最初の休憩時間が少し遅めなのでお弁当までの虫養いの餡ぱん齧りつつ席で待っていると、開演前の盛り上げに客席を回る時間遡行軍の面々と、戯れて写真撮りまくってご満悦の観客の私たち。ってその私自身はレンズの手前にいるわけで映ってはいないけど。

オンラインゲームの方の世界観及び各刀剣の知識も前作上演時同様さっぱり進化しないままだけれども、歴史を変えようとする時間遡行軍なるものとその阻止のために送り込まれるのが刀剣男子(日本刀の付喪神)という設定だけ踏まえれば話の理解には全く問題ない。

歌舞伎というがジャンル自体がそもそも、特に江戸時代中の作品だと史実背景や筋の辻褄をぶっ飛ばしてる演目が多い世界で、そこが今の感覚で見ると理解が難しいという一因にもなっているのだけれど、最近の新作は所作や楽曲の歌舞伎独特のエッセンスを活かしなが脚本もわかりやすく、うまくアップデートして、こうやってこれからも進化していくんだなぁと。

終演後の写真撮影やSNS拡散での集客も、まだ限られた公演だけだけど、これからどんどん主流になっていくのかも。

個人的には雪之丞演じる強い悪女というより愛情深さ溢れる北条政子、そして初々しさ溢れる左近くんの加州清光がよかった。それにしても左近くん、いつかパパに似る日が来るのだろうか。松緑さんがすごい役者であることには異論はないんだけど、今の線の細さがいずれは……と思うと。

映画「国宝」で田中泯演じる老女形のように年齢を越えての芸というのもあるけれど、髭切膝丸そして加州のように若手のいまだからこそのお役というのも絶対あると思う。

ちなみに来年二月の博多座は『あらしのよるに』だけど、松也の「めい」役をもう一度観たい気もするけれど、松也は女形のお役でない方に専念が正解なのかな、とも。めいは羊であって女方と括っていいかは別の話として。

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