ごろー、ごろー、い・の・が・し・ら♪と鼻歌交じりに明大前乗り換えで吉祥寺から中央線へ。調べたら夫の入院している病院へは新宿発よりも次男宅最寄りJR駅発の方が断然本数が多くて便利だったので。
引越の前の週に会ったのが最後だからそこからまだ1か月と少ししか経っていないのだけど、前回は彼が借家に置いていったままのモノの要否を見てもらったり運んだりと最近の具合などあまりゆっくりと話する暇もなかったので、病院の行き帰りであらためて近況を聞く。
就職してからまる5年、出張もこれまでの上司同行必須から1人でも行くようになって、とりあえず今は資格取得に集中しているらしい。夫の今後のこともあるし、私も見習ってもう少し収入を増やす口をもっとまじめに考えなくちゃなぁとは思っているのだけど、それを言うと「その前にアイツ(長男)をどうにかしろ」と。それも含めて試行錯誤はしているんだが、実際の話今のところ実質まだ何も進んでいない。
次男なりにこちらの今後のことも考えてくれてはいるけど、少なくともあと5年は福岡での家業よりは自分のことに集中したいと。それはもっともなことで異論もない。
次男その日は一緒に住んでいる彼女と吉祥寺で晩御飯デートだそうで、新高円寺で解散して丸ノ内線で銀座へ向かう。椎名林檎はいちいち口ずさまない。前日歌舞伎座昼の部の「きらら浮世伝」幕見は残念ながら瞬殺で取れなかったけど、今日夜の部の舞踏劇「江島生島」はまだ空席あって、せっかくだからと1枚。その後R子さんから夜予定が空いたという連絡で、再度隣席を追加でもう1枚買って歌舞伎座前で待ち合わせ。

一応確認したけどこの演目の初演は大正元年(1913)。実際の江島生島事件は1714年。大奥御年寄江島が山村座の役者生島新五郎を招いての宴会のために大奥の門限を遅れたことが発端で、最終的には1400名に及ぶ関係者が粛清を受けたという。門限遅れのみの話ではなかったとしても、斬首まで出る問題なのかというと今の感覚ではどうにも追いつかない。
演目としては島に流された生島新五郎が、江島の面影をやつした海女の姿に過去の江島との逢瀬の日々を思いながら物狂いとなっていく様子。江島と海女を七之助、生島を菊之助。
実際江島と生島がどういう関係だったかなんて知るすべもないのだけど、よしながふみ「大奥」の江島生島のくだりなんかも思い出したりしつつ、架空かも知れない悲恋への鎮魂の物語。
コメント