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初台の午後。 | ぽんこつ歳時記

初台の午後。

遊びをせんとや

新国立劇場、個人的には行きやすくて嬉しいんだけど。思いのほかチケットも高いし、見送るつもりでいたのが、想定の半額?くらいのチケットが出たもんで、それならばと。お得なのは嬉しいんだけど、ここまで安くなると普通にチケット買うのが馬鹿らしかったりしないか?とやや複雑な気分でもあるけども。

建て替え中(?)の国立劇場の方は今の住まいからはちょっと行きにくい場所だったけど、逆に初台はすごく便利。と言いつつ最後に来てからはもう何年も経っているけれど。

入ってすぐに売店。道明の帯揚売ってるが残念ながらちょっと手が出せない。

中劇場の中はこんな感じで席もロビーもスペースゆったりめなのは嬉しい。歌舞伎公演を想定した造りではなくてコクーン以上に花道が短かいというのはともかく、中でお弁当食べられないのは寂しいけどやむなしか。繰り返し書くけど歌舞伎公演用ではないんだし。

以下、演目内容。

梶原平三誉石切 鶴ヶ岡八幡社頭の場

文耕堂 ・ 長谷川千四 、1730年大阪竹本座初演。石橋山の戦いでの頼朝の敗走の頃、平家方大庭景親、俣野景久が鶴ヶ岡八幡前で梶原平三と行き合わせる。あまり友好的でないながらに神前でもあるという所で梅を肴に一献酌み交わしているところへ六太夫が娘を伴って金策のために宝刀を以前から買いたいと言っていた大庭景近に対して売りに来る。再度の源氏挙兵のため急ぎの金策とは言え何故にこの場所このタイミング?とは思うけど、芝居の都合上だから仕方がない。梶原の名刀との目利きに大庭景親は喜んで四百両を出そうとするも、俣野景久に切れ味の保証がないと止められて、二つ胴の試し切りをすることになるも、切るための罪人が一人しか準備できない。売り急ぐ六太夫は試し切り済の証書が家の仏壇の引き出しにあると娘に嘘をついて自らが二つ胴の片割れになろうとする。平蔵が試し切りを買って出て、という物語。

割とよくかかる演目だと思うし、自分も一度は見てるはずなのだけど、正直あまり好きな演目ではないのもあって、いつの公演で配役が誰だったか、まったく記憶にないんだよなぁ。

菊之助の平三はすっきり二枚目の平三なのに、どうしても「鎌倉殿の十三人」での嫌われ者な梶原獅童の方を思い出してしまう。

芦屋道満大内鑑 -葛の葉-

初代竹田出雲作、1734年大阪竹本座初演。いつか観てみたいと思ってたけど今日この日まで観られなかったほど、なかなかかからない。今回予定外でも見に来ることにしたのもこの演目があったから。

安倍保名が許嫁葛の葉姫と生き別れになり、保名が助けた狐が恩返しに葛の葉姫に化けて保名の苦境を救い共に暮らすうちに子をなすも、ある日そこへ葛の葉姫本人がが両親に伴われて現れてという安倍晴明伝説を下敷きにしたもの。

梅枝が葛の葉姫と狐葛の葉一人二役。人間の葛の葉の段階で、表情というか顔立ちがすでに狐っぽい。出てきた瞬間この人狐!って感じ。だからといって狐忠信の狐では決してない、女であり狐である顔。

信田への道行の踊りもすごくいい。この道行だけでもいいから近日また公演の演目に入れてくれないかしら。

勢獅子門出初台

どうしても子役に目がいっちゃうけど、実際どうしてみんなこんなに踊りがうまいのかなと。

以前滝沢歌舞伎の映像を観て思ったんだけど、ジャニーズのダンスって結構ハイレベルなはずなんだけど、やっぱり歌舞伎という形とはなんかちょっと違うんだよな、っていう。

このくらいの年齢からでないと軸の作れない、日本舞踊独特の身体の動かし方あるいはポージングというものがあったりするのだろうかと素人目ながら。

この日のキモノは花織セット。先日の浅草の帰りが結構暑かったのでこの日は羽織どころかアームカバーも持って行かなかったけれども、帰りがかなりの突風で本当に寒くて後悔。

長羽織は今日の色合わせ的にはばっちりだったのに残念。

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