用というほどの用でもないけど五月最後の土曜日の昼前、天神から中州に向かって歩いていたら、ちょうどその日の午後が博多座六月歌舞伎の船乗り込みだったようで、リハーサルなのか何艘か船が河口の方から流れてくるのに遭遇。
数日前の雨の予報もどこへやら、こんなに爽やかな天気はめずらしいんじゃないかってくらい、船乗り込みにはうってつけの日和だったんじゃないだろうか。用をすませたらさっさと天神に戻っちゃって本番の見物はしなかったんだけど。
今年の六月歌舞伎は中村兄弟。昼も夜も割と最近見た演目ばかりなので見送ろうかとも思ったものの、結局下旬で夜の部だけ切符は買ってある。
六月は中旬にも夫の予後の様子見もかねて東京にも行ってくるのだけど、歌舞伎座の音羽屋襲名公演については今のところ立ち寄る予定はなくて、もし行くとしても幕見。
それよりも、などと言うのは失敬かもだけど、六月の飛行機抑えた後になって七月と八月の團子ちゃんの歌舞伎座出演と聞く。演目自体もおもしろそうで、どうせだったらその時期で上京したかった!と今更。
歌舞伎見物という道楽については十年に渡ってほぼ毎月どこかしらに通って碇知盛よろしく「見るべきほどの事は見つ」とばかりに東京を後にするのを機に区切りをつけたつもりが、半年と持たず既にもう未練がましいったらない。
八月にはまた博多座で刀剣乱舞の公演もあることだし、歌舞伎座の演目の方はオンデマンド配信あたりにしておくよう自分を宥めているところだけども、さて。
そういえば七月にも愛之助丈が長崎スタジアムシティで舞踏公演だとか何かで見た。壱太郎・右近・種之助と若手の踊り上手精鋭の面子にこれまたそそられはするんだけども、こうなるともうキリがないという感じ。
道楽も気力と体力のあるうちにやっとかなくてどうすると思う一方で、でも一体何がどうそんなに面白くてなけなしのエネルギーをそこにつぎこむのかと、もはや自分でもよく分からなくなっている。
ただこんな風に行くか行かぬか迷ったり調整したり、泣く泣く諦めて見送った舞台、あるいは行ってはみたけどなんかピンとこなかった芝居も含めて、芝居見物というものの楽しみは成り立っているようでもあったりする。
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